寝てる先輩のパンツの脇から挿入

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寝てる先輩のパンツの脇から挿入

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ある東北の山村に伝わる、萌える昔話。

若い、まだ10代半ばの少年の猟師が、先輩の壮年の猟師と山に入ったが、先輩猟師とはぐれてしまった日が落ちてから行動するのは死につながると常々教わっていたため、たき火をおこし、弁当に持ってきた酒の筒と餅の包みを引っ張り出し、魔物よけに剣鉈を引き寄せて夜明かしに入った。

火が小さくなって、ふと目を覚ます。
薪をくべたして、また眠ろうとしたところ、闇の向こうに、緑色の炎がいくつも瞬いている。
山犬か、山猫か。
がくがくと若い猟師はとっさに剣鉈をつかむと、鞘を払った。
と、光の当たる範囲内に、不意に、若い女が姿を現した。


すらりとした背格好の、手足の長い女がほとんど全裸の体に、じかに獣の皮を纏っている。
キツネか山犬の類の皮だと思われたが、ボロボロに朽ちていてはきりとはわからない。
その獣の皮の顔の部分が、女の首のあたりにまきついていて毛皮の胴は女の肩から胸を覆っていたが、毛皮が短すぎて片方の胸ははだけ、乳房が乳首まで露出して腰や臀部もほとんど隠れてはおらず、太股も露わであった。

その肌は雪で作ったように真っ白でそれでいてみずみずしくハリのある質感はまだ女を知らない少年でさえも吸い込まれるように見惚れてしまうものであった。

毛皮の影から見え隠れする乳房は、決して大きくはなく乳首も小さめで、色も薄淡い、早咲きの桜のような色をしていて幼いころに見た母親の乳房とはずいぶんと印象が異なっていた。

髪と瞳は炎を銅の中に封じ込めたような不思議な赫色で金属質の光沢があり、それが彼女がこの世のものではないことを示していた。

女の表情は凍りついたように動かない。

女は自分の大事な部分が少年に見えていることなど少しも気にしない様子で、少年のもとへと近づいてきた。
どうやったのか、ほとんど足音を聞き取ることが出来なかった。
ただ、女が近づいてきたので、それで少年はその女が自分とそう変わらない年頃の娘の顔をしていると気がついた。

もちろん、外見は、である。
明らかに魔性のあやかしの類であるこの娘が実際には何百年生きているのか、知れたものではない。

「・・・鉈ぁ、捨でっか、捨てねえか?」

ふいに娘が問うた。
言葉は土地の訛りと同じで「なダぁ、すデっか、すデねえか?」というような発音だったにも関わらず晩秋の冷たい湖に小石をひとつ、ぽーんと放り投げたような澄んだ音色の陶器のような声だった。

先達の猟師は、絶対に鉈を手放すなと言っていたのに、少年は、何故か、鞘に収めて、横に置いた。
女の瞳に抗うことが出来なかったのである。

「餅と酒ェ、わだすか、わださねえか?」

また娘が問うた。
少年は、弁当の包みと酒の竹筒を、震える手で、相手のほうに押しやった。
そこで、娘ははじめて、獣のような歯を見せて、無言で笑った。
少年は、ふと、誉められた猟犬の嬉しそうなしぐさを思い出した。
嘘のつけない生き物の、本心からの悦び。
それを思い出させるような、透き通った笑みであった。

「・・・着物、脱ぐか、脱がねえか?」

少年は、がたがたと震えながら、上着を脱いだ。
娘は、それをみて、同じ言葉を繰り返した。

「着物、脱ぐか、脱がねえか?」

ああ、もう、俺はこで死ぬんだ・・・先達の言いつけを守らなかったからだ・・・。
少年は、涙を浮かべて震えながら、下履きを脱ぎ、下着まで脱いだ。

娘は、猟師の少年のそばまで来ると、いきなり、覆い被さった。
首筋を噛みちぎられると思って身を固くしたが、全く別のことをされる。

冷たい両腕が少年の肩を抱え、後ろに伸びて、少年を抱き締めた。
首筋に娘の唇が当てられて、熱い吐息がかけられた。
わずかに魚の臭いがしたような気がした。

そのまま娘の口から湿った舌が出てきて、少年の首からうなじにかけてチロチロと這い回った。
くすぐったさを感じて身をよじろうとしたがその瞬間、娘はものすごい力で少年を抱き寄せると少年に唇を重ねた。
わけもわからないまま、それでも、逆らっては命がないと思い少年は娘の思うままに身を預けることにした。
娘は少年の頭を抱きかかえるようにして口を激しく吸い、舌を入れてきた。
生暖かい、ぬめぬめした感触が、なぜか心地よい。

気がつくと、長い時間、お互いに舌を絡めあっていた。
娘は時折、少年の唇を甘噛みしたり、軽く吸ったり少年の唇の上を、まるで地虫が這うようにじわじわと舐め回したりしていたがずっと少年の頭を抱きかかえ、体の上に覆いかぶさったままだった。
娘は脚を開いて膝立ちになり、少年をまたいでいたが、体重は少年に預けていた。
これは少年を逃がさないためなのかもしれなかった。

娘の体からはほのかに草の香りがした。
はじめ触れられたときは、凍るような冷たい肌に感じられたはずなのに今は娘の体は温かく、わずかにしっとりとしていてそれでいて、見たときのままにすべすべと吸い付くようなさわり心地だ。
その肌を裸の体に押し付けられて、少年は舌だけではなく全身の表皮で娘を触っているような感じがした。
事実、体を押し付けられ、くねくねと絡まれてもいたのではあるがやはり少年を逃がさない姿勢のままであった。

唐突に、娘の口が少年の唇から離された。
もっと舌を吸われていたかった、もっと唇を弄ばれていたかった――そんな思いが一瞬、脳裏をよぎる。
だが娘はその少年の心を知ってか知らずか少し顔を離して、少年の瞳を真っ直ぐ見据えるとにこっ、と笑って、少年の頭を愛おしそうに撫でた。

はじめ全身をこわばらせていた少年は、長い口付けのあいだにすっかり緊張から解放されていたのだった。
それだけではなく、少年は無意識のうちに娘の腰に手を回し、その腰を抱いていた。

自分でもどうしていいのか判らなかったがその意識とは裏腹に、少年の一物は隆々として固くなっていた。
猟師の村のこととて、まだ少年はそういう情事に疎くこの急くような気持ちと、この一物の怒張の示す意味はだいたいわかるものの、具体的に何をどうすればいいのかは頭が真っ白になって、考えることが出来なかった。
ただ、このままこの娘と離れたくないという強い気持ちだけが募った。

娘は何もかも見透かしたように、少年の頭を優しく撫でながら逆の手で少年の一物に触れた。
少年の体に、雷に触れたような衝撃が走る。
そこはまるでヤマイモのように固く湯を沸かしたように熱く、別の生き物のようにビクビクと脈打っていて少年は何とはなしに気恥ずかしさを感じた。
娘は触れるか触れないかの柔らかな指使いで少年の一物を触る。
指が這うたびに、一物から背骨に向かって稲妻が流れるようであった。

娘は少年を押さえつけたまま、じわじわと後ずさりし顔が一物のところに来るほどまで下がっていくと先ほど少年の口に這わせていたのと同じ舌を一物の上につつつぃっと這わせた。

「ひゃうっ・・・!」

少年は思わず妙な声を出してしまった。
娘は少年の顔を見返し、さも面白かったかのようににやにやと笑った。
少年は自分の顔が真っ赤になっていく音を聞いた気がした。
娘は少年の反応が気に入ったらしくまたペロペロと一物を舐め回し少年はその度に吐息とも悲鳴ともつかない声を漏らした。

「ひゅっ・・・あっ・・・かはっ・・・ああっ!!」

娘がいきなり、少年の一物を口にくわえ込んだのだ。
それで少年は今までにない大きな声を出してしまった。
娘は少年の顔を見上げながら、一物を口に含み舌を絡ませながら軽く吸い付いた。
そしてそのまま、少しずつ首を前後に動かしていく。

「あっ・・・やっ・・・くっ・・・だ・・・だめ・・・ああっ・・・。
なっ・・・なに、か、く・・・くっ・・・」

味わったことのない、熱い気持ちが腹の底から一物に向かって集まっていく気がして少年は気が遠くなりそうになった。
このまま、世界が真っ白になりそうだった。

「・・・ひゃひゅか、ひゃひゃねえか?」

一物をしゃぶる動きを止めずに、娘が問うたが少年にはよく聞き取れなかった。
娘は少年の一物を頬張っているのであるから何を言っているのかよくわからないのも当然である。
娘はそれでも一物をほおばったまま少年の眼を見て、もう一度問うた。

「・・・ひょのまんま、ひゃひゅか、ひゃひゃねえか?」

出すか出さないか、と聞かれたようだった。
だが少年はもう何をどう答えていいのか考えることもできずに初めて自分を襲う快感の波に飲み込まれないように必死に戦うことしかできなかった。
娘はそんな少年の意を汲んだか、頭の動きを速めた。

来る。

何かが自分の体からほとばしり、快感が突き抜けそうになるのを魂で感じ取った少年は、その「出すか、出さないか」の問いの意味するところを体で理解し、同時に答えた。

「だ、だ、出すだ、出すだっ・・・ああっ!!」

小便とは違う、熱い濃い何かが、少年の体をつきぬけ娘の口の中に流れていくのがわかった。
少年はまるで弓のように体をそらせた。
二回、三回、四回・・・少年の体がはじけるたびにゴプリゴプリとでる液体を娘はわずかに顔をしかめながら、しかし残らず吸い取り、飲み干して、一物の鈴口に舌を這わせてチロチロと舐めた。
少年は先ほどとは違った、妙なくすぐったさを感じて腰を引こうとしたが娘は少年をからかうように繰り返し舌で一物をつついた。

ひとしきり娘が少年の一物をくすぐったあと少年は、恐怖も緊張も忘れ、まるで娘が十年来の妻であるかのように自分から娘を抱き寄せて、軽く口付けをした。
どうしてそんなことをしたのか自分でも判らなかったがただ娘を愛おしいと思ったのだった。

突然の少年の行動に、娘は初めて戸惑ったような表情を見せたが少年の目をみつめながら、少し恥ずかしそうに、ごく小さな声で囁いた。

「・・・続げっか」

「続げて」

娘の問いが最後まで発せられるよりも先に、少年は望んでいた答えを口にした。
どうすればいいのかはよく判らなかったが、何をしたいのかはもうわかっていた。
あとはこのまま娘の導くまま、体を預けておけばいい。
そうすればきっと、素適なことが起きると、少年は理解していた。

思いのほか素早い返答に、娘は一瞬驚いた表情を見せたがすぐに満面の笑みを浮かべると、少年に抱きついた。

娘は再び少年の上に馬乗りになるとそのまま少年に覆いかぶさり、体重を預け少年の片手をとって自らの乳房にあてがった。
そして自分は、股のあたりを少年の一物に擦り付けて、くねくねと腰を動かし自らの秘所で一物を愛撫した。
少年は本能のままに乳房を撫で回しあるいは揉みしだき、あるいはこねるようにした。

乳首と乳輪のあたりを、なぞるようにすると娘はその度に腰の動きを一瞬とめてピクンとわずかに身を弾ませた。
娘は秘所を押し付けたまま少年の頭を再び抱えるようにすると、舌を絡めてきた。
今度は少年もそれをすすんで迎え入れて、舌を絡ませ娘の唾液を吸うようにしたり、自分がされたときのように唇に舌を這わせたりした。

そうしているうちに、少年の一物は再び隆々とそそり立ちそれに押しつけられていた娘の秘所も、じっとりと濡れぬるぬるした感触が二人をまた興奮させた。

「入れっか、入れねえか」

「入れるだ」

答えが最初からわかっていたかのように、いたずらっぽく娘が笑って腰をすこしだけ浮かせると、もう十分に固さを取り戻してした少年の一物はまるで自分の意思で潜り込んだかのようにつるんと娘の体に吸い込まれた。

少年は正直、どのようにどう入れるのかもよくわかっていなかったのだが「入れるだ」と答えただけで、あとは娘に任せるつもりでいた。
しかし、体が勝手に答えを知っていたかのように目指すべき場所に一物が吸い込まれていったのをみて少年はむしろ一瞬あわてた。
何か間違ってはいないかと不安になったのだ。

が、それは杞憂であったことを体で理解した。
娘の肌から感じる体温よりもずっと熱い、それでいて意識が溶けるような感触の肉壷に少年の一物がぴったりとはまりこんで口で吸われていたときよりも激しい快感が少年を襲った。

まだ動かしていないのに、もうさっきのように液体が出そうだ。
それだけではなく、もう腰の辺りがじんわりと妙な感触に包まれて一物のあったはずの場所は、どこからが自分の肉でどこからが娘の肉かもわからないくらいに溶け合っている感じがした。
ぬるめの風呂の中に体を沈ませたときに感じる自分の境界線がわからなくなるような気持ちと熱い煮えたぎるお湯の中に飛び込んでしまったような感じが同時にやってきた。
地面の上に寝ているはずなのに自分が空から落ちてきたような気がして、思わず娘の体にしがみついた。

その娘の体が、微かに震えているのに気がついた。
みれば娘は少年の肩越しに地面に手をつけて眼を瞑り、歯を食いしばっている。
どこか痛かったのか、と少年は心配になったがよく見るとそうではなかった。
娘もまた、自分の体が溶けていく気持ちの中で恍惚としているのを理解した。

二人が繋がった。
それだけで、まだ何もしていないのにすでに二人は絶頂のすぐ手前まできていたのだった。

一瞬が、何年にも感じられた。
繋がったまま、少年に抱き締められていた娘が、まだプルプルと震えながらわずかに眼を開けて、少年を見た。

「・・・動がすか、動がさねえか」

「動いて、ええだ」

ゆっくりと、娘は少年の一物を引き抜くかのように腰を上げしかし、引き抜かずにまた腰をゆっくりゆっくり下ろした。
その一往復だけで、少年はもう果ててしまいそうだった。
だが、ここで耐えれば、もっと気持ちよくなる――少年はそんな気がして、快感の雪崩から身を守るように目を固く瞑り娘の腰を強く抱いた。

「ふっ・・・・・ふっ・・・・ふっ・・・・」

娘が腰をゆっくりゆっくりと動かすたびに娘の口と鼻からわずかに息が漏れる。

「かはっ・・・・・かはっ・・・・」

同時に少年は吐息ともあえぎ声ともつかない声を立てた。
声を漏らしながら、そっと眼を開けて娘をみると、娘は頬を火照らせたまま、にやにやとしたいたずらっぽい表情を浮かべて少年を見下ろしていた。
目があって、少年はたまらなく恥ずかしくなり再び眼を閉じた。

「ふっ・・・ふっ・・・ふっ・・・。ふっ・・・ふっ・・・んんっ・・・」

だんだん娘の動きが速くなってきた気がした。
それと同時に、腰のあたりのとろけた感触の中で熱いものが破裂しそうになる。
しかし、これを耐えた方がもっと気持ちよくなる、そんな気がして少年は必死でこれと戦った。

「・・・まだ、が、我慢できっか、できねえか・・・んっ・・・ふっ・・・」

「が、我慢できるだ・・・」

「・・・気持ちええか・・・いぐねえか・・・」

「気持ちええ・・・ええだ・・・」

「・・・きっどか・・・きっど気持ちええか・・・いぐねえか・・・」

「きっどだぁ・・・」

腰の動きが速まるとともに、娘が少しばかり饒舌になった気がした。
それが、娘のほうも快楽の波と戦っている証だと気づくのに時間はかからなかった。
二人とも、もっと大きな波を求めて、今を耐え一心に快楽をむさぼっているのであった。

「はあっ・・・ううっ・・・」

「んっ・・・かはっ・・・ん・・・?」

ふと顔にポタリと水滴が落ちるのを感じて、少年が眼を開けると娘のにじませていた涙が少年の顔にしたたったのであった。
娘は快感に身を委ねて、随喜の涙を浮かべていたのである。
少年は片手を伸ばして、指でそっと涙をぬぐってやった。
一瞬、娘は恥ずかしそうに照れた。

が、とたんに何かを感じ取ったように身を弾ませ一段と腰の動きを速くして、激しく動かした。
すこしひねるような動きを加えて動かすので少年は今までにない快感に意識を失いかけたがこの娘の動きから、娘が気をやる限界が近いことを感じ取った。

と、娘が顔を真っ赤にしながら口を開いた。

「お、おめ、おめえ・・・オラのこど、す、す、す・・・好ぎか、好ぎでねえか・・・」

「大好ぎだぁ・・・惚れちまっただぁ・・・」

本心から出た言葉であった。
この娘が人の世のものではなく、山のあやかしであることなどもはや問題ではなかった。
ここで命をとられ、魂を抜かれようともそれで構わないとさえ少年は思った。

娘は少年の言葉を聞いて、顔をくしゃくしゃにしながら満面の笑みを浮かべると、涙を流した。
それが娘の気持ちであることを知って少年は心底嬉しかった。

娘は腰を振り動かしながら、少年の頭を抱えるようにしてきつく抱き締め、少年の耳元で囁いた。

「まだ、我慢できっか、できねえか・・・」

「も、もうちっとだけなら・・・」

これも本心であった。
少年はもう限界寸前で今にも一物から魂がほとばしりそうであった。
が、娘はここで初めて、質問ではない言葉を口にした。

「そ、そか・・・お、オラぁもう・・・が、我慢できねえだぁ・・・。ああ・・・あっ・・・あ、あ、あああああああぁぁぁっ!!!!」

最後にいっそう力強く腰を振ったかと思うと娘は動きを止め、少年に全身で抱きついて痙攣のように体を震わせながら、呼吸とも声ともつかない音を出して果てた。

その娘のきつい抱擁に触発されたか、少年は娘に一拍遅れて、果てた。

ビクン、ビクン、と脈打つ一物が娘の中で跳ね返り、熱いものを噴きだしているのが判った。
そして、そのほとばしりに反応するように、娘がピク、ピクと体を震わせた。
少年は娘がたまらなく愛おしくなりしっかりと両腕で抱き締めた。

少年と娘は、幾度も幾度も抱き合い、互いを求め合った。
夜は永遠に続くかと思われた。
回数を重ねるごとに少年は新しい快感を感じ、二人が果てるたびに、娘は美しく愛おしく思えた。

気がつくと、少年は全裸で眠っていた。
たき火は消えていたが、東の空は明るんでいた。
夢でも見たのかと思ったが、身体に草の汁のような物が沢山ついていて、花の香りがした。
餅と竹筒と鉈が無くなっていて、代わりに、山菜や果物や高価な茸、それに山女が、フキの葉にたっぷりと盛られて、近くに置いてあった。
だが、娘はもうどこにもいなかった。

ほどなく先輩の猟師と合流出来た少年は、一部始終を報告すると、

「お前、山の神様か、そのお使いに気に入られたんだな」

「このごろ山に入る男も減ったし、若いのはほとんどいなくなっちまったからなぁ」

「ま、果報なことだ。ケモノ(化物)に襲われたんじゃなくてよかったなあ」

と、そう驚くでもなく、むしろ人が悪そうにニヤニヤしながら言った。

そして、不意に真面目な顔になって、

「山の神様は嫉妬深い。これから山の中では、女の話はするなよ」

「夏には素裸で水浴びをしろ」

「立ち小便の時は、必ず山頂に身体を向けてな」と言い含めた。

その日の猟の成果は驚くほどで、「ご相伴だ」と先輩はご機嫌だったそうだ。

少年はその後何年か、この不思議な娘に山の中で再会することはなかったが、ある年、あのときの娘にそっくりだが髪と瞳の黒い女が少しだけ大人になった少年の家を訪ねてきた。
女は顔を真っ赤にしながら問うた。

「・・・嫁にすっか、しねえか」

もちろん、答えるまでもなかった。

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